無糖バニラ
日曜日だから、利用者はたくさんいた。

学校に近い駅だから、校内の人もきっといたのだと思う。

まさか、見られていたなんて。


小嶋くんを見ると、目を見開いて驚いているように見える。

教室中に、注目されている。


「あんたさぁ、小嶋くんと付き合ってんだよねぇ?芦沢くんとはただの幼なじみって言ってなかった?それで何、これ」

「二股してんの?よりによって、友達同士のふたりを」

「最低。しかも芦沢くんと!」


女子たちに口々に責め立てられて、あたしは真っ青になって、上手く声を出すことが出来ない。

言わなきゃ。「違う」って。

言わなきゃ。……なのに。


「あんたレベルのブスが調子にのんなよ!」


――『あんたがいるから、翼くんが!消えてよ!』


ダメ、今思い出すな……!
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