プリズム!
雅耶は携帯を耳に当てたまま、急ぎ足で昇降口へと向かって階段を駆け下りていた。
裏庭に居た少女は夏樹だ。遠目に見てもすぐに分かる。
あんな所で一人で泣かせてしまっている自分に、とにかく無性に腹が立った。
自分が泣かせている…と思うのは、ある意味傲慢かも知れない。
夏樹の気持ちに、そこまで自分が影響しているのかどうかは分らないからだ。
だけど、こんな状況を作ってしまったのは確実に自分のせいだから。
(そんな所で、一人で泣くなよ…)
本当は、いつだってあいつの笑顔を護りたいと思っているのに…。
電話の向こうでは、夏樹が恐らく泣きじゃくっているのであろう嗚咽が絶え間なく聞こえて来ていた。
「…夏樹、そんなに泣くなよ。今の自分を見られたくないって、どうしてだ?泣くからには、やっぱり…何かあったんじゃないのか?」
必死に足は前へと進めながらも、出来るだけ優しく静かに言葉を掛ける。
とりあえず、先程から声を掛け続けてはいるが夏樹からの返事は聞こえて来ない。
だが、電話を切られないだけマシだと思っていた。
そのまま電話を繋いだまま雅耶は昇降口まで辿り着くと、急いで靴を履き替える。
ここは人が多く賑やか過ぎて、電話の向こうの様子が聞き取りづらいのだ。
雅耶は慌てて人のいない裏庭の方へと足を運んだ。
裏庭に居た少女は夏樹だ。遠目に見てもすぐに分かる。
あんな所で一人で泣かせてしまっている自分に、とにかく無性に腹が立った。
自分が泣かせている…と思うのは、ある意味傲慢かも知れない。
夏樹の気持ちに、そこまで自分が影響しているのかどうかは分らないからだ。
だけど、こんな状況を作ってしまったのは確実に自分のせいだから。
(そんな所で、一人で泣くなよ…)
本当は、いつだってあいつの笑顔を護りたいと思っているのに…。
電話の向こうでは、夏樹が恐らく泣きじゃくっているのであろう嗚咽が絶え間なく聞こえて来ていた。
「…夏樹、そんなに泣くなよ。今の自分を見られたくないって、どうしてだ?泣くからには、やっぱり…何かあったんじゃないのか?」
必死に足は前へと進めながらも、出来るだけ優しく静かに言葉を掛ける。
とりあえず、先程から声を掛け続けてはいるが夏樹からの返事は聞こえて来ない。
だが、電話を切られないだけマシだと思っていた。
そのまま電話を繋いだまま雅耶は昇降口まで辿り着くと、急いで靴を履き替える。
ここは人が多く賑やか過ぎて、電話の向こうの様子が聞き取りづらいのだ。
雅耶は慌てて人のいない裏庭の方へと足を運んだ。