プリズム!
僅かに揺れるゴンドラ。

そして、コート越しでも温かい雅耶の体温を感じて。

肩越しに、雅耶の呟くような声が聞こえる。


「俺にとっても宝物だよ。お前が…。夏樹が俺の宝物そのものだ…」

「…まさや…」


その言葉に胸がジーン…となって、抱き締められる腕の強さに鼓動が早くなっていくのが分かる。

ドキドキするけれど、何よりあたたかな気持ちで心が一杯になる。

(私、雅耶のことが好きだ…。ホントに大好き…)


その夏樹の心の声が聞こえたかのように雅耶は不意に、僅かに抱き締めた手を緩めると、お互いの顔が見える位置まで距離を取った。

「………」

そして、どちらからともなく顔を寄せると。

そっと口づけを交わした。





「ね、ところでさ…。雅耶は何をお願いしたの?」

「ん?そりゃあモチロン!『二人でずっと一緒にいられますように』だろ」

「へぇー…」

「へぇーって、お前な…」

「きっと、その願いは叶うよ」

「…どうして、そう思うんだ?」


「だって、二人分だもん」




ずっと一緒にいられますように…





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