ラ・ヴィ・アン・ローズ



「ん?もう酔ってんのか」

へっ?

向かい側にドカッと座った恭介さんが身を乗り出して

「ニタニタ笑ってる」

「ニタニタなんて笑ってません!」

人が思い出に耽ってるのに『ニタニタ笑い』だなんて。

やっぱり恭介さんにはデリカシーってものがないのよね。

「だ、第一まだ飲んでませんから」

テーブルに置かれたグラスはそのまま。

見たら分かるじゃない。

「直ぐムキになる。本当にからかいがいのある奴」

いつもいつもからかうんだから。

「そんなにからかって面白いですか?」

「あぁ、面白い」

即答だよ。

「私は面白くも可笑しくもありませんけど」

「俺が面白いからいいんだ」

「……」

「クククク…」

恭介さんはどSのようです。

「さ、河豚になってないで乾杯しよう」

「……」

河豚じゃないし。

「志織、機嫌を直せ。なっ!」

「…はい」

いつまでもご機嫌斜めだと大人気ないし恭介さんの思うつぼでますますからかわれるだけだわ。

グラスを取り上げ

「乾杯」

グラスを合わせて口に運ぶ。

うん、久しぶりに飲むヴァイオレットフィズ美味しい。

恭介さんもスコッチを美味しそうに飲んでいる。




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