ラ・ヴィ・アン・ローズ
「誠さんも瑞穂さんと一緒に此所にくればよかったのに」
「瑞穂は今日は仕事だからな」
瑞穂さんはセレクトショップにお勤めしているから土曜日はお休みじゃないもんね。
「それとも何か?」
「えっ?」
恭介さんの片眉が心持ち上がりかけてるような気が…
私、何か失言した?
「俺と2人は嫌だと?4人の方がよかったのか?」
「そ、そんなこと言ってません」
何でそうなるのよ。
「ほんとに?」
「はい。恭介さんと2人で過ごせるのは本当に嬉しいですよ」
「そんなにムキになって力説するのが怪しい」
「怪しくないですから!」
「ククク…お前、声デカすぎ」
へっ?
回りを見渡すと…
「や、やだ!」
近くの席のお客さんがこっちを見てるじゃない。
穴があったら入りたいってこのことだわ。
「真っ赤!」
言わないで下さい、分かってますから。
「河豚から茹で蛸だな」
「き、恭介さん!」
また茹で蛸って言われたよ。
恭介さんってもしかして魚介類が好きなのかしら。
てか、ずっとからかってるんだもん。
私は恭介さんの玩具ですか?
「ハハハ…」
まだ笑ってるし。
これなら東京の家に1人でいた方がましだったかも。