あの夏に僕がここへ来た理由



ひまわりは朝一番で買い物に行き、お弁当のレシピを考えた。
さくらは今朝のひまわりの様子を見て安心したのか、久しぶりに家へ帰った。

ひまわりは祖父の家に置いてある古い重箱を見つけ、それをお弁当箱として使うことに決めた。
小さい時から何の取り柄もなかったひまわりは、料理だけはいつも皆に褒められた。

そして、愛する人のためにお弁当を作るという些細な日常が、こんなに幸せに包まれていることを初めて知った。


ここから海人の働く民宿までのバスは、一時間に一本しか出ていない。

ひまわりは、お弁当の重箱と食後のコーヒーを入れた小さなポット、それに冷たい麦茶が入った水筒を持ってバスに乗り込んだ。




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