あの夏に僕がここへ来た理由



バスの窓から見える景色は、一面がずっと海だった。

今までもこの景色は何度も見てきたはずなのに、海人への溢れる想いで何もかもがバラ色に見えた。
人を愛するということは、平凡な普通の生活を送ってきたひまわりの世界を一変させる力を持っていた。

バスの到着が10分ほど遅れたために、海人がバス停の近くまで迎えに来てくれていた。

海人はひまわりが大きな荷物を抱えて歩く姿を見て、笑いながらそれを全部持ってくれた。

民宿に着くと、ひまわりは玄関先でサチに会った。

海人がひまわりを紹介すると、


「ふ~ん、二人はお似合いだね。
二度と離れちゃだめだよ」


と、二人を交互に見ながら物知り顔で言った。

ひまわりは不思議な感覚にとらわれたが、笑顔で挨拶をした。







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