猫になりたい少女のお話







「良い加減起きなさい!
土曜日だからってゴロゴロしちゃ駄目よ!」




朝。

お母さんの声で少女は目覚めました。

そしてベッドから立ち上がり自分の体を見下ろしました。




2本の、人間の足。







「今日お父さん早めに仕事が終わるそうよ。
夕ご飯は外に食べに行きましょうか?

最近家族3人で過ごすこともなかったからね」


「本当?やったぁ!!」





朝ご飯を食べている時お母さんから嬉しいニュースを聞いた少女は

食べ終わった後2階の自分の部屋へ行き

片手に財布を持ち階段を下りて行きました。





「オレンジジュース買ってきて良い?」


「え?家にあるわよ?」


「ううん。
家のじゃなくて自動販売機のが飲みたいの。

行ってきます!」





見慣れた塀に囲まれた道を歩き、自動販売機に向かうと。





「おはよう。今日は学校休み?」


「おはようお兄さん!
うん!今日は学校休みだよ」


「良いな~。
俺今から大学の授業あるからさ~。

気を付けてね」


「ありがとう!
お兄さんも気を付けてね!」





家を出てきたお兄さんと明るく話し、

お目当ての自動販売機の前に立ち、

お金を投入しボタンを押しオレンジジュースを買い、その場で飲みました。




オレンジジュースを飲みながら歩き、向かった先は公園。

公園では子どもたちが元気に遊んでいました。

蛇口を捻り、水を飲んだりバケツに水を汲んだりしているのが見えました。




元気に走りまわる子どもたちと一緒に

カラスが止まっているのが見えます。

少女が近づくとカラスはすぐに飛び立って行きました。






『わたし、人間に戻る』





……あの時言ったわたしの決断は、間違っていない。






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