猫になりたい少女のお話
「おはようお嬢ちゃん、早いね」
オレンジジュースをきちんとごみ箱に捨てた少女は、
ぼんやり道を歩いていると
隣に停まった車から顔を覗かせたおばあさんに話しかけられました。
「おはようおばあさん。元気になったのね?」
「おや。
どこでわたしが昨日倒れたことを知ったんだい?」
「ふふ、どこででしょうね?」
少女がはぐらかすと、おばあさんはニヤリと笑い、
窓から手を伸ばし少女の頭を撫でました。
「昨日の夜不思議なことがあったんだよ。
倒れたわたしを助けたのは何と猫だったんだ。
息子たちはわたしの話を聞いてくれないけどね。
……ありがとうお嬢ちゃん」
少女が最後におばあさんが呟くように言った5文字に驚いていると。
おばあさんは少女の頭から手を離しクスッと笑いました。
「また飼えない猫を拾ってまた捨てるような真似、しちゃ駄目だよ」
「……はーい」
少女が返事をすると、
おばあさんは車の窓を閉め、
息子が運転する車は走り出しました。