猫になりたい少女のお話
「……しつこい猫だな」
「もしかして何か言いたいんじゃねぇのか?」
もう少しだ!!
「にゃんにゃん!!」
少女は鳴きながら尻尾を不良たちに向け
「ついて来て」と願いを込めながら鳴きました。
少女が歩きだすと、
不良たちは首を傾げながらもついて来てくれることになりました。
「おっおい!!大丈夫かばあさん!!」
「早く救急車呼べ!!」
間もなく不良たちが呼んだ救急車が到着し
おばあさんは病院へ運ばれました。
「教えてくれてサンキューな猫」
「おい…猫って何だ猫って」
「名前知らねーから猫だ!」
「テキトー…。
まぁお前に感謝だな猫」
「お前だって猫って呼んでるじゃねーか」
金髪の不良たちは救急車が走り去った後
猫になっている少女の頭を撫でました。
少女は褒められ嬉しくなりましたが、
別れ際に不良たちが言った言葉が、少女の心に響きました。
「もし猫が人間の言葉喋れたら
もっと早くばあさんのこと助けられたんだろうけどな…」