冷徹社長が溺愛キス!?
速水社長が乗っていたのだ。
「はい……。失礼します……」
軽く会釈をして静々と乗り込む。
タッチパネルは一階が点灯していた。
十階をタッチすると、社長が「サボリか」とニヤリと笑う。
「ち、違います。ちょっと休憩しようかと」
サボリだなんて。
ココアでひと息つくだけ。
すぐに到着した十階で、もう帰るのだろうと思って「お疲れ様でした」と社長に声を掛けると、なぜか私に続いて降り立つ。
「忘れ物ですか?」
「いや」
歩きながら仰ぎ見て聞くと、社長は首を横に振った。
「そう、ですか……」
うしろから漂ってくる威圧感。
そして社長は、私が入った休憩室へもなぜか着いて来た。
な、なんだろう……。
背後を気にしながら自販機の前へ立つ。
いつもそうしているように、四列あるうちの上から二列目、左から三番目のボタンをタッチした。