冷徹社長が溺愛キス!?
◇◇◇
キリのいいところで作業を中断して時計を見ると、八時半を回っていた。
今日はこのくらいにして帰ろう。
簡単に片づけから、会議室や応接室のカギがきちんと締まっているか確認し、総務部をあとにした。
すると、エレベーターで一階まで降りたところで、ビルのエントランスに立つふたつの人影が見えた。
速水社長と三木専務だ。
ゴールデンウィーク中にどこか出掛けてきたのか、専務は少し日焼けしたように見える。
見るからに恋人同士のふたりは、肩を寄せ合い笑いながら話していた。
ほんと、仲がいいんだな……。
時折、社長を小突いては三木専務の腕が絡みつく。
なんでだろう。
胸のずっと奥のほうに、針でチクチクと刺したような痛みが走った。
「あら、雨宮さん、残業だったの?」
三木専務が私に気づく。
それに「はい」と答えながら、止めていた足を進めた。
「今度またお花を飾ってくれる?」
「はい! もちろんです!」
三木専務に言われて即答する。
ガーベラで専務に喜んでもらえたのなら嬉しい。