冷徹社長が溺愛キス!?

「社長のむさ苦しい部屋にも、また飾ってあげてちょうだい」

「誰がむさ苦しいって?」

「あら、速水社長のほかに誰かいる?」


不満そうな社長にも強気な発言だ。


「まったく、口の減らない女だ」

「口が減ったら大変よ」

「人のあげ足を取るな」


ポンポンとテンポのいい会話が続く。
これが会話のキャッチボールというんだろう。
私とでは成り立たないものだ。

他愛のない言い合いだからこそ仲良く見えて、羨ましくなる。
私がいるから遠慮しているんだろうけど、きっとふたりきりなら、もっと甘さの散りばめられた言い合いになっているに違いない。
そう思うと、なぜかまたキリキリと胸の奥が痛んだ。


「そうそう、こんなことしている場合じゃないんだ。私、早く帰らなきゃ」


腕時計で時間を確認した三木専務が、慌ただしく駆け出す。
ふたりで一緒に帰るわけではないらしい。


「送って行くから乗れよ」

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