冷徹社長が溺愛キス!?

「俺が送るって言ってんだから、素直に乗ればいいんだ」


結局は、眉間に皺を寄せた社長の顔が怖くなって、言われたようにタクシーの後部座席に収まった。


山の帰りに久万さんに送ってもらっただけで私のアパートの場所を把握してしまったのか、社長は私の代わりに運転手に行き先を告げた。
本当は三木専務を送りたかったんだろうと思うと、申し訳ない気持ちになる。

タクシーが走り出すと、社長はシートにゆったりと背中をもたれて、外へ視線を投げた。


「いつもタクシーなんですか?」

「いや、電車だ。今日は会議続きで疲れたからタクシー」


そうだった。
今日はいろんな部署の会議や打ち合わせで、部屋は予定が終日びっしり。
社長も、その中のいくつかに呼ばれていたということだ。


「運転手は付けないんですか?」


社長という肩書なのだ。
専用の車に専属の運転手がいてもおかしくない。


「煩わしいだけだ」

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