冷徹社長が溺愛キス!?
「どうしたんだ」
「……アパートのカギが……」
「ないのか」
コクンと頷く。
「はあ? ないって、会社にでも忘れたんじゃないのか?」
「いえ……バッグから出していないので……。今そこに落としたのかもしれません……」
情けなさからボソボソと言うと、社長は呆れと驚きの混じった声でもう一度「はあ?」と言った。
社長が、すぐさまその場に膝を突いて排水溝を覗き込む。
「しゃ、社長! そんなことをしたら汚れちゃいます!」
ただでさえ高級そうなスーツなのに。
花瓶の水を掛けたならまだしも、アスファルトなんて汚いのに。
「そんなこと言ってる場合か!」
下から厳しい表情で睨み上げられて、一瞬のうちに空気を吸い込んだ。
「……すみません」