冷徹社長が溺愛キス!?
◇◇◇
私のアパートから二十分ほど車に揺られて到着したのは、いわゆる高級マンションが建ち並ぶ都心の一等地だった。
この場所だと、私をアパートまで送り届けると遠回りになるはず。
それなのにわざわざ送ってくれたのだ。
幾度となく見せられた社長の優しさ。
それはやっぱり本物だったのかも。
タクシーを降りて、果てしなく高いマンションを見上げる。
すごい高い……。
最上階のほうは、夜空にでも吸い込まれてしまったのか、私の目では確認できなかった。
「ほら、行くぞ」
ボケッと見上げていると、社長が首をクイッと捻って合図する。
いつの間に脱いだのか、ジャケットを肩に掛けた社長を追いかけた。
ガラスの自動扉を入ると、広いエントランスが現れる。
グレーで統一されたそこは、ピカピカに磨かれた大理石の床や、華道家が活けたのか立派なフラワーアレンジメントが飾られており、高級感たっぷりだった。
セキュリティを抜け、エレベーターが二基現れる。
自分の姿が写り込む扉は、ところどころに宝石でも散りばめられているのかキラキラ光っていた。
そこもまた、一流ホテル顔負けの造りだ。