冷徹社長が溺愛キス!?
「あの、社長」
ん? と、社長は私を見ながら小首を傾げた。
いつもの調子だったら『なんだ』と無愛想に返されるだろうに、その仕草がなんだか可愛らしく見えて、ドキッとしてしまう。
「……えっと、パスタなんてありますか?」
ドギマギしながら尋ねる。
「パスタ……? うーん、そういや誰かにもらったものがあったか?」
社長は記憶を掘り返すために首を捻りながら、食品庫らしき扉を開けた。
そして、しばらくゴソゴソと物音を立てたあと、「よっしゃ、あったあった」とやけに嬉しそうな顔でパスタを私に差し出した。
「ありがとうございます。カルボナーラはお嫌いですか?」
生クリームはないけど、牛乳で代用すれば作れそう。
「特に嫌いでも好きでもない」
社長の微妙な答えに苦笑しながら、それにしようと決めた。
材料を冷蔵庫から改めて取り出し、カウンターの上に並べる。
社長は収納扉から包丁とまな板を取り出してくれた。