冷徹社長が溺愛キス!?
「よし、もう一回だ」
今度はそっと玉子を割ったところまでは良かったが、白身と黄身の分離に失敗して、黄身をボウルの中へダイブさせてしまった。
「――チッ」
社長が舌打ちをする。
意外と不器用なのかもしれない。
その様子につい笑ってしまうと、社長が「なんだよ」と不服そうに私を見下ろす。
「いえ」
笑いながら首を横に振る。
「くっそー。見てろよ」
社長は再び玉子を持ち、コンコンと割った。
トロッと白身がこぼれ、なんとか黄身は殻の中で踏ん張る。
「よっしゃ」
どうだと言わんばかりに、自信たっぷり私を見た。
ようやく最初の一個も成功もしたし、私も自分の作業を進めることにしよう。
比較的深い鍋に水をたっぷり入れ、火にかける。
ベーコンの塊をスライスし、かろうじて一片だけ残っていたニンニクを刻んだ。