冷徹社長が溺愛キス!?
玉子はできたかと社長のほうを見ると、彼は手をタオルで拭いながら満足そうにボウルの中身を眺めていた。
うまくいったようだ。
ところが、その中を覗き込んで、私は思わず唖然としてしまった。
黄身が六個も並んでいたのだ。
脇を見れば、空の玉子のパックが転がっていた。
「……全部使っちゃったんですか?」
「なんだよ。ダメなのか?」
社長が不安そうな顔を向ける。
「ダメですよ。多過ぎます」
いつになく立場が優位になったものだから、私も相手が社長だということをつい忘れて、ミスを指摘してしまった。
「何個だって指定されてないぞ」
「……そう、ですね」
確かに私は数の指定はしていないけど……。
「でも、普通に考えたら六個は多くないですか?」
「俺は普通って言葉が一番嫌いだ」
社長はほんの少し唇を尖らせて、私から目を逸らした。