冷徹社長が溺愛キス!?

普通が嫌いって。
なんだか駄々っ子みたいで可愛いと思った瞬間、鼓動がトクンと弾む。

どうもおかしい。
さっきから予想外の現象ばかりが、私に続けざまに起きている気がする。
自分の体なのに、コントロールすることもできない。
それが何なのか知りたくなくて、別のことを考えようと試みる。

――そうだ。
こんなときは、あの加藤くんの毒舌っぷりを思い出してみよう。


『私が、このとろくて鈍い雨宮さんを好きになるはずがないでしょう』
ゴールデンウィーク前に、加藤くんに言われたセリフだ。
『ごもっともです』と返してしまいたくなるほど的を射たものだと思う。

とろくて鈍い。
本当にその通りだ。


「そこまでダメ出しするなら、少し減らそう」


変なほうへ飛んでいた思考が、社長のひとことで一目散に戻ってくる。


「わ、ちょっと待ってください!」


社長が黄身を捨てようとしたのだ。
慌てて引き留めた自分の手が社長の腕を掴んだことに気づいて、反射的にパッと離す。

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