冷徹社長が溺愛キス!?
「……すみません」
咄嗟に私は目を逸らした。
彼の腕の逞しさが手に感触として残って、それが私の気持ちをはやらせる。
社長は、持っていたボウルをカウンターへ置くと、ゆっくり私に向き直った。
「ひとつ試したいことがある」
「……試したいこと、ですか?」
首を傾げて社長を見上げると、彼はじっと私を見下ろした。
突然の真顔が、緊張を呼び寄せる。
その目に、どこか獲物を捕らえるような静かな光が宿ったように見えた。
思わず後ずさりをすると、社長が私ににじり寄る。
再び、私が半歩下がる。
一定の距離を保っていないと、その眼差しに吸い込まれてしまいそうだった。
ところが、もう一歩下がったところで背中が壁にぶつかる。
社長との距離が一気に縮まってしまった。
状況が掴めずに加速する鼓動。
あまりにも激しい動悸で、心臓が肋骨を突き破ってしまうんじゃないかと心配になるほどだった。
「あの、しゃ――」
極度の緊張に耐え切れなくなり口を開いた瞬間、社長が私の唇を塞いだ。
何が起きたのか、すぐには理解できなかった。