冷徹社長が溺愛キス!?

さっきのは私の妄想なんかじゃないのだと思い知る。

それじゃ、あのキスは何だったんだろう。
社長の試したいことがキスだったのなら、どうして試す必要が?

そんな疑問がぐるぐると頭の中を回ったところで、社長に聞く勇気はない。
それはきっと、私にとって不都合な理由を聞くのが怖いから。

ただのきまぐれ。
いっときの気の迷い。
そう言われることを想像すると、胸がキュッと軋む。

つまり……私は社長のことを……?


「おい、何ボケッとしてんだ。もうすぐ茹で上がるぞ」

「あ……はい……」


社長の隣に立ち、フライパンを温める。

肘が触れただけでビクンと肩先が揺れるほど、急激に社長を意識してしまった。

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