冷徹社長が溺愛キス!?

「……麻里ちゃんはいいな」

「何が?」

「好きな人に好きになってもらえて」


思わず出た本心。
麻里ちゃんは静かに箸を置くと、正座をして姿勢を正した。


「ね、奈知。前から聞こうと思ってたんだけど」


彼女にしては、いやに遠慮がちに前置きをする。
そんな様子に私は身構えた。


「社長と何かあった?」


いきなり核心を突く質問は、私をパニックに陥れる。


「な、な、何もないよ」


どもる私に彼女は鋭い視線を向けた。
見つめ合う私たち。
それに耐えきれなくなって目を逸らしたのは私だった。


「私には言えないの?」

「……え? ち、違うの。あのね……」


そんなつもりは全然ない。
急に寂しそうに彼女が言うものだからオロオロしてしまう。

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