冷徹社長が溺愛キス!?

そこまで断言してもらえるとは思ってもいなかった。
いつものんびりしていて、誰が見ても鈍い私。
隙がありすぎるからキスされるんだと言われることも覚悟していたから。


「……ありがと、麻里ちゃん」


彼女にだけでも私の気持ちを認めてもらえたことが、すごく嬉しかった。


「麻里ちゃんが本当に羨ましい。好きになった人に好きになってもらえるなんて。今の私には奇跡だとしか思えないよ」


三木専務と私じゃ、勝負にすらならない。
百人の男性がいたら、百人全員が三木専務を選ぶだろう。
容姿にしろ、頭にしろ、どこにも勝ち目はないのだ。

麻里ちゃんに話せたことで少しだけ気が楽にはなったものの、決着のつけどころは見つけられなかった。

ふと、私のスマホに着信が入る。
この時間だと、いつもの電話だと確かめなくても分かってしまう。
そしてそれは、私の予想どおりお母さんからの電話だった。


『なっちゃん、その後どう?』


どうもこうも、前回の電話は夕べだ。
昨日の今日でその後と言われても困ってしまう。
でも……。

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