冷徹社長が溺愛キス!?

正直に聞き返すと、加藤くんは肩をすくめて呆れ顔をして見せた。


「これだから雨宮さんは……」


いつものセリフを言って首を横に振る。


「まぁともかく、用件は以上です。お帰りいただいて結構です」


加藤くんは溜息混じりに言うと、私に背を向けた。


「ちょっ、加藤くん……?」


掛けた声には無反応。
彼は「あーあ、まったくやっていられませんよ。職権乱用も甚だしい」なんてことを言いながら、総務部から出て行ってしまったのだった。

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