冷徹社長が溺愛キス!?

“バラ、見つけたでしょ? ベランダから下を覗いてみて”

麻里ちゃんからのLINEを読んで、ベランダへ降り立つ。
鉢植えを通り越してつま先立ちで下を覗くと、そこには一台の白いセダンが停まっていた。
そして、そのそばには、こちらを見上げる社長の姿があったのだ。


「え……社長……?」


独り言を呟くと、私を確認して、彼が手招きをする。
下りて来いということらしい。

何がなんなのか、さっぱり分からない。
バラも社長の登場も、まるで狐につままれたような気分だった。

どうしようかと迷ったけれど、一輪ずつ拾ったバラと、大きなバラの花束も抱えていくことにした。
ずっしりと重いし、前もよく見えない。
ヨレヨレの状態で階下まで行くと、私に気づいた社長が掛け寄って来た。


「おい、なんで持ってくんだよ」


私が抱えている向こう側から、社長が花を抱え込む。


「せっかく社長からいただいたから……」


置いてなんて来られない。

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