冷徹社長が溺愛キス!?

「どこへ行くんですか?」

「俺のマンション」


社長の、マンション……。
ポワーンと浮かんだベッドルームの画に鼓動が加速する。
勝手にエッチな妄想をして、顔から火を噴きそうになった。


「今夜はただでは帰さないから覚悟しろ」


伸びてきた彼の指先が、唇をなぞる。
見たこともないほど熱い眼差しを向けられ、思わず息を呑んだ。
そして、ダッシュボードから社長が何かを取り出し、私に突き出す。


「……これは」

「見てのとおりだ」


ベージュの小箱。
それはどこからどう見ても、指輪のケースだ。

心臓の音が、はっきりと自分で聞き取れるほどに高ぶる。
社長がそれを開くと、八枚の花びらをかたどったプラチナの台座が、ダイヤモンドを包み込んだキュートなデザインだった。

ケースに印字された店の名前は、以前、社長と専務を見かけたジュエリーショップのものだ。
あのとき、ふたりで選んでいたのは、これだったのかもしれない。

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