冷徹社長が溺愛キス!?
「ありがとうございます……」
顔に嬉しさを隠し切れない。
「福子さんが焼いたメロンパンもあるぞ」
「本当ですか!?」
社長のひと言に弾かれたように返す。
私にしては、かなり反応が早い。
「おい、そっちのほうが嬉しそうだな」
社長が憮然とする。
「あ……いえ……」
そういうわけじゃない。
メロンパンは、速水社長との夜を過激に妄想してしまう私の脳内にブレーキを掛けるためのもの。
別なほうへ意識を持っていかなければ、彼の運転する助手席にすら座っていられないから。
「メロンパンは朝までおあずけだ」
「え?」
彼が意地悪く笑う。
「明日の朝、食べられるかどうかは奈知次第だな」
そう言うなり、社長は私の頭を引き寄せて唇を塞いだ。
百八本の真っ赤なバラ。
“愛してる。結婚しよう”
そんな意味を持つその花束は、後部座席から甘い香りを放っていた。
-END-


