冷徹社長が溺愛キス!?
麻里ちゃんたちは、もうとっくに頂上に着いただろうか。
今頃、桐谷さんとふたりで仲良くお弁当を囲んでいるところだろうか。
上を見上げてみても、まだ山頂までほど遠いところにいるような気がして、ものすごく寂しかった。
「食べないのか?」
「た、食べます」
これ以上、お腹をグウグウ鳴らすわけにはいかない。
私のリュックからレジャーシートを広げ、そこに社長も座ってもらった。
そして、一番奥からランチボックスを引っ張り出す。
それを見た社長は、「そんなにデカい弁当箱が入っていれば重いわけだ」と目を丸く見開いた。
「それ、全部ひとりで食べるつもりで持ってきたのか?」
「いえ、麻里ちゃ……沢木さんとふたり分のつもりでした」
答えながら、三段のランチボックスを置いた。
社長もてっきりお弁当を出すかと思いきや、リュックから出てきたものが予想外のもので、つい目を瞬かせる。
「……それだけなんですか?」