冷徹社長が溺愛キス!?
社長の『ふぁんら』に上書きされてしまったせいで、自分が笑ったことを忘れていた。
「……いえ、なんでもないです」
「なんでもないのに雨宮奈知は笑うのか。それじゃ、変態だな」
「へ、変態……?」
思わず目をパチクリ。
「もしくは、頭がおかしい」
頭が……おかしい……?
それはさすがに、ちょっとひどい。
正常なスピードで働きはしないけれど、“おかしい”レベルまで落ちているとは思いたくない。
変態な性癖も、たぶんない。
「言い返さないところを見ると、図星か」
「ち、違います」
社長は再びクククと笑った。
彼の性格に難があるというのは本当なのだ。
私をからかって楽しんでいる。
そして、麻里ちゃんとふたり分にしては多いと思ったお弁当は、三分の二ほどが社長のお腹の中へ、残りは私のお腹の中へと消えて行った。