冷徹社長が溺愛キス!?
あまりの大きな音にその場に蹲る。
先を歩いていた社長は私まで戻ると、両腕を掴んで私を立たせた。
「ここにいたら危険だ。もう少し行ったところに山小屋があるから、そこまで行くぞ」
その言葉に頷き、ふたり揃って駆け出す。
時折、轟く雷鳴のたびに足止めをされながら、必死に社長のあとを追う。
気づけば私たちは、脇道からコースへ戻っていた。
ただ、そこにほかの登山者の姿はない。
しばらく走ると、社長が言っていたとおり山小屋らしき建物が見えてくる。
社長は私に振り返り、それを指差した。
激しくなる雨の中、なんとか山小屋までたどり着くと、ドアを開けると同時に今まで以上の閃光が空を駆け抜けた。
社長に押し込められる形で山小屋の中に入った途端、地響きがするほどの大きな雷が鳴った。
耳を塞いで、その場に小さくなる。
あまりの恐ろしさに、私の心臓も破裂しそうな勢いだ。
空に近いせいか、雷の威力も半端ない気がする。
この山小屋に落ちやしないか、不安でたまらない。
「大丈夫か?」
社長に声を掛けられて、耳を塞いでいた手を外す。