冷徹社長が溺愛キス!?

「とりあえず脱げ」

「――え!?」


振り返って私に告げた社長の言葉に、素っ頓狂な声を上げる。


「勘違いするな。濡れたジャケットを脱げって言ってんだ」


社長は呆れると同時に、不快感を顔に滲ませた。


「……あっ……すみません……」


私ときたら、何を勘違いしているのか。
裸になれと言われるはずがない。

耳までカーッと熱くなる。

背中を丸めながらゴソゴソとジャケットを脱ぐと、社長は素早くそれを私から奪い取り、窓付近にあったフックに自分のものと並べて提げた。


「ありがとうございます」


私のお礼に反応はなし。

雷は、なかなか遠のく気配がない。
雨は山小屋の屋根を激しく打ちつけていた。

私たちはどうなるんだろう。
麻里ちゃん、今頃心配してるかな。

なす術もなくじりじりと過ぎていく時間。

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