冷徹社長が溺愛キス!?
会社を立ち上げた経緯は、基本中の基本。
入社して丸五年だというのに、社長の真意も知らない無能な社員だと思われたに違いない。
「まさか、本当に花屋だと思って入社したわけじゃあるまいな」
社長は眉根を寄せて、私に強い視線を浴びせた。
さすがにそれはない。
いくら私でも、ちゃんとオンラインゲームの会社だと分かって入社している。
首がもげてしまうかと思うほどに、ブンブン横に振る。
恐れのため、『違います』という言葉も喉の奥に引っ込んだままだった。
「いいか? 二度目はないぞ?」
「はい、すみません……」
姿勢を正して正座した。
「大学生のときにIT企業が企画した視察旅行がきっかけだ」
大学生のころから視察だとは……。
私が大学生のときに旅行と言ったら、遊び目的以外であった試しはない。
やっぱり土台から違うのだ。
社長は、根っからの経営者なのかも。