アメトムチ。
「いえっ。何でもないです。それじゃ・・」
「待って」
仕事中抜け出してきた(一段落はしてたけど)ので、さっさと庶務に戻ろうと気が急いていた私の手首あたりを、野々瀬局長がパッと掴んだ。
それだけでまた、緊張のドキドキがぶり返す!
「なっ、なんですか?」
「俺んちに行くってちーちゃんから言ってきたのは、今日が初めてだな」
「・・・気づいてたんですか」
「そりゃ気づくだろ」
「そうですよね。もう私ったら。ハハッ」とごまかし笑いをしている私に、野々瀬局長は「ありがと、ちーちゃん」と言ってくれた。
眼鏡をかけたののさんの笑顔は、本当に嬉しそうで、とびっきりにカッコいい!
私のハートが自動的にときめいて、ごまかし笑いもどこかへ飛んでしまった。
そのまま見つめ合うこと、1秒、2秒、3秒・・・。
4秒目に、彼が沈黙を破った。
「待ち合わせはいつもの場所?」
「あ、はい。はいっ」と、なぜか2度も「はい」と言ってしまった私の声は、自分でもわかるくらい上ずっている。
どれだけ緊張してんのよ私はっ!
きっとののさんは、握っている私の手首から、大きくなった脈音を感じているに違いない。
だけど彼は至って平静に、「じゃあ後でな」と言うと、私から手をそっと離した。
「待って」
仕事中抜け出してきた(一段落はしてたけど)ので、さっさと庶務に戻ろうと気が急いていた私の手首あたりを、野々瀬局長がパッと掴んだ。
それだけでまた、緊張のドキドキがぶり返す!
「なっ、なんですか?」
「俺んちに行くってちーちゃんから言ってきたのは、今日が初めてだな」
「・・・気づいてたんですか」
「そりゃ気づくだろ」
「そうですよね。もう私ったら。ハハッ」とごまかし笑いをしている私に、野々瀬局長は「ありがと、ちーちゃん」と言ってくれた。
眼鏡をかけたののさんの笑顔は、本当に嬉しそうで、とびっきりにカッコいい!
私のハートが自動的にときめいて、ごまかし笑いもどこかへ飛んでしまった。
そのまま見つめ合うこと、1秒、2秒、3秒・・・。
4秒目に、彼が沈黙を破った。
「待ち合わせはいつもの場所?」
「あ、はい。はいっ」と、なぜか2度も「はい」と言ってしまった私の声は、自分でもわかるくらい上ずっている。
どれだけ緊張してんのよ私はっ!
きっとののさんは、握っている私の手首から、大きくなった脈音を感じているに違いない。
だけど彼は至って平静に、「じゃあ後でな」と言うと、私から手をそっと離した。