アメトムチ。
「ん・・・」
あれ。なんか・・・あったかい・・・。

あまりの心地良さだったからなのか。
つい目を開けた私は、ののさんがバンと視界に入って来たので、ビックリしてしまった。

「んのっ!?ののさんっ!?」
「あ。起こしてごめん」
「いえいえいえ・・・」

私、いびきとかかいてないよね?
いつものごとく、お風呂使わせてもらったから、パジャマ姿でノーメイクな30オンナの素顔を、ののさんに見られてる・・・わけで・・・。

急に恥ずかしさがドーッと押し寄せた私は、タオルケットを両手に握りしめると、顎のすぐ下まで引き上げた。
・・・ってこれも、いつもののさんがうたた寝してる私にかけてくれるんだよね。
そのときいつも、私の寝顔を、この人は見てるってことなわけで・・・。

「ちーちゃん」
「あのっ!わたし・・・」
「ありがとな」
「・・・え?」

< 61 / 78 >

この作品をシェア

pagetop