そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
「別れた彼が帰って来たんです……それで、その彼に、いろいろ干渉されるから、すでに付き合ってる人がいるって、ウソをついたんです……」

そしたら、彼が別れたいって言ったと思ったのは、誤解で、私の早とちりだって。

今でも、気持ちは変わってないって。

オーナーが、そうか、そうだね、って上手に聞き出すから、気がついたら、今まであったこと全部しゃべっていた。


「それで?何が問題なんだい?」


彼と離れてることが、本当に苦しかったから。
その苦しさを忘れるために、もっと苦しいことを選んだのだ。

ほんと、バカだ。


「私が、過ごした3年間……本当に苦しかった」


「おおい、仕事前に泣くなよ」


「だって……」

あんな思いしなくて済んだんなら、その方がいい。

「なあ、亜湖ちゃん、どんな時間も無駄な時間なんてないさ。それは、亜湖ちゃんが一番よく知ってるだろ?
君は、苦しい時も、決して逃げないで、よく耐えてたじゃないか?
だから、こうやって亜湖ちゃんの周り人は、みんな君に協力しようと思うんだよ。
胸を張って、君は、精一杯がんばってたじゃないか。そのことで、後悔することなんか、何もないよ」

私は、ぐちゃぐちゃな顔で、オーナーの顔を見ながら、また泣いていた。

だって、そんな……
人に褒められることなんか、何にもしてない。


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