そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
私の席の隣は、先月まで長谷川主任が座ってた。
長谷川さんは、この春異動になったから、もうこの机は必要ない。
その時にも、掃除したんだけど、いつの間にか誰かの資料とかが置かれていて、物置になってる。
ここにいた長谷川さんは30才を少し過ぎたくらい。主任という立場でここに来て、海外事業部の資材課の課長になって異動していった。
うちの会社は、大手とは言えないけど中堅の建設会社だ。
有名で大規模なプロジェクトは、それほど多く無いけれど、
大型のビルや工場、商業施設やマンションなどの事業を請け負っている。
高層建築にも定評があって、大型のマンションでも実績を残してる。
『北海道新幹線の工事にもかかわってたんだけど知ってる?』
お互いの手が空いたりすると、長谷川さんが、聞いてきた。
『はい。一応知ってます』
会社報くらいは、一応読みますので。
『なんの工事だか知ってる?』
生徒に尋ねる先生みたいだ。
『いいえ、そこまでは』
ちゃんと記事も読んだけど、中身はよく覚えていない。できの悪い生徒だ。
『橋の工事だよ。2キロ越える大きな橋』
新幹線が開業して、函館~仙台間まで約2時間30分で行けるようになって、
仙台までイベントに日帰りで出かけることができるようになったとか。
長谷川さんは、休憩時間にそういう話を、雑談をしながら、私にもわかりやすく説明してくれた。
私のように、ずっと管理部門にいると、自分の会社がどんな仕事に強くて、どんな評価を受けてるのか、意識して仕事をすることがない。