そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
因みに、あの手の高級機種は、主任以上の役職か、特別そういった設備の必要な場合にだけ配給される。だから、役付きのない下っ端の社員にまで、ピカピカの状態でなんか回ってこない。
その人達が、新しいパソコンに取り換えると、彼らが使った少し新しい機械が私のような立場の人間にも回ってくる。
たいして重要じゃない仕事をしてる私にとって、あの銀のパッケージは、夢のまた夢なのだ。
「いいな。最新機種」
早く箱開けないの?紗和…
期待の目で見る。
私のものじゃないなら、せめて箱から出してセットアップくらいしたいな。
紗和が、さらっと答える。
「自分で買えば?家でじっとしてお金使うとこ無いんだから、余裕で買えるじゃない」
「どこにそんな余裕があるのよ」
予備校代に、テキスト、模試、時間を作るために食事も外食が多かった。
あまり考えたくないけど、貯金も結構減ってしまってる。
自宅にパソコンを置いてないから、不便極まりないよう。予備校代にお金を使ってしまって、パソコンなんかとても買えない。
「勉強して資格取ったんでしょう?」
私は、やっとのことで、去年、念願の資格試験に合格していた。
「取ったけど…」
会社のなかで、司法書士だって看板をあげる訳にはいかないし、給料もアップした訳じゃない。
独立して開業しなくては、資格を取った意味がないのかもしれない。