そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
出かけて行ったきり、姿が見えなかったので、私は彼の存在を忘れて仕事に集中していた。
何か、温かいものが足に触れた。
とっさに、足を引っ込める。
ぬうっと、足元に何かが触れた。ごそごそ下で動いてる。
「きゃああ!!」今度は、しっかり足に触った。
「あ、悪い…」
隣の机の下から、こもったような声がする。
それなのに、姿は見えない。
「ちょっと!何してるの」私は、のぞき込んで言った。
また、足のすねに生温かいもんが触れた。今度は触れたのが腕だと分かった。
足元で、何かがもぞもぞしてる。蹴り飛ばさないでよかった。
「悪い…そのままじっとしてて…動かないで、そう」
机の下から、優人が出てきた。
「そんなとこで、何やってるの」
っていうか、いつの間にそんなとこに潜ったのよ。
「何って、電源探してるんだけど…」
私は、机の奥の方をさして言う。
「床には、ないよ。そこ…テーブルのおく、そう…そこ」
「ああ、本当だ。あった。ありがとう」
人騒がせな。
ようやく、静かに作業ができる。
バリバリ…
あああ?なんの音!!
ん?
優人…箱を開けてる。パソコンのセッティングしてるんだ。いいな銀のパッケージ。
電源を入れると、
ウィーンとファンが回る音がする。
優人が、小さく咳き込みながらモニタの中に、ウィンドウが浮かび上がるのを見つめてる。