そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
運よく、紗和お気に入りのイタリアンの店に入る事が出来た。
紗和は機嫌よく、きのこのバター醤油パスタを注文したところだ。
「久しぶりに会えて嬉しい?」
「優人の事、言ってるなら嬉しくない」
私は紗和に、優人が帰ってくるって教えてくれなかったこと、許したわけじゃない。
一言、言ってくれてもいいのに。
入社以来、仲良くしてきた友人が、元カレと遭遇して動揺してると言うのに、紗和は呆れるほどいつも通り。普通にしてる。
彼女は、人ごとのように、きのこのバターの醤油パスタにするか、
トマトクリームのパスタにするかっていうくらいの関心しか示さない。
紗和は、注文してからも、名残惜しそうにメニューを眺めながらいう。
「長井って、あれで、なかなか男前になってたね。前よりずっと落ち着いてるし。きっと惚れ直すんじゃない」
「そうかな」
確かに……それは、紗和のいう通りだと思う。格好良くなってるよ、着実に。
けど、元カレがいくら格好良くなったって、私には何の関係もないじゃないの。
外見だけじゃなくて、中身も変わってるとしても…
初めましてって、いう訳には行かない。
会わなかった間に、年齢相応に落ち着いて、男らしくなって帰って来た。だから、それがどうだっていうのよ。