健康診断の甘い罠
なんか初めて高倉さんのお家にお邪魔した時の事思い出すな。
あれから半年以上経つんだもんな。あの時も和弥くんにこうやって送ってもらって……お付き合いが始まったんだよね。
あの時はこんな風に和弥くんを好きになるなんて思ってなかったけど、お付き合いを始めることに不思議と不安はなかった。
キスとかその先とか、そんなの考えないでお付き合い始めたもんな。
そういえばあの時も和弥くんと海に寄ったな。
和弥くん、私が付き合うって言ったらすごい驚いてた。
色んな事を思い出していると着いたみたいで、和弥くんが車のエンジンを切る。
「寒いかもしれないけど、少し歩かない?」
そう言われて車を降りると、潮の香りがする。
海沿いの道を手を繋いで歩きながら、和弥くんが私の顔を見て微笑んだ。