健康診断の甘い罠

「お、うまそうだよ。腹減った。行こう、千紗ちゃん」


結城さんに促されて立ち上がると結城さんが椅子を引いてくれる。


「千紗ちゃん、俺の隣ね。俺、左利きだからこっち座って」


そう言われて素直に座る私と隣に座った結城さんを、高倉さんがちょっと意外そうに見ていてどうしたんだろうと思う。


「なんか俺が来てる時より豪華じゃない?」


結城さんの言葉にテーブルを見る。確かにすごいおいしそう。


サラダにグラタンに、ピラフとか鶏肉のハーブ焼きとかパンもある。


「当たり前だろ。お前はすでにお客さんじゃない」


お皿を並べながらそう言う旦那さんに結城さんは嬉しそうな笑みを向ける。


「あ、何?弟と認めてくれたんですか?」


「認めてないから。毎日のように来てて客も何もないだろ」


そう言われて唇を尖らせてる結城さんは、やっぱり子供みたいだ。


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