健康診断の甘い罠
和弥くんだって、黒いシャツにボーダーのインナー、デニムでよく似合ってると思う。
「和弥くんも、かっこいいと……思い、ます」
まだ面と向かって言うことはできなくて窓の方を向いてそう言う私に和弥くんがクスッと笑う。
「そういうのは顔見て言ってくれると嬉しいんだけど。……まあ、今はいいか」
そう言って和弥くんは車を走らせ始める。
「どこ行きたいか聞いてなかったけど、今日は俺に付き合ってもらってもいい?」
「うん、全然いいよ」
そう言った私を和弥くんが連れてきたのは、大型ショッピングセンターだった。
「一人で来ると色々面倒だからあんまり来ないんだけど。彼女もできたことだし、出掛ける機会も増えそうだから服買おうと思って」
そう言って私の隣に立った和弥くんが私に手を差し出してくる。