健康診断の甘い罠
その手と和弥くんの顔を見比べる私を見て和弥くんは苦笑いした。
「手、繋いでもいい?」
そう言われてちょっと迷ってから、和弥くんの手に触れてみる。
触れた私の手に指を絡めた和弥くんが私の顔を覗きこんでくる。
「いけそう?」
心配そうに私を見る和弥くんに、何だか安心してしまってその手を握り返す。
「大丈夫」
そう言って頷いた私を見て和弥くんがホッとしたように息をついて、嬉しそうに笑った。
「よかった。じゃ、行こう」
そう言われて手を繋いだまま歩き出す。
お店をキョロキョロしながら見ていると和弥くんが嬉しそうにニコニコしながら私を見ていることに気付いて首を傾げる。
「どうしたの?」
どうしたんだろうと思いながらそう聞くと和弥くんは照れくさそうな顔をして私を見る。