健康診断の甘い罠
「お、おにぎりって。かわいいんだけど、そんなに好きなの?」
「……好き。それも海苔が巻いてないと嫌」
海苔がないおにぎりなんて私はおにぎりとは認めない。
そう言うと和弥くんはさらに笑ってまた身体を震わせてる。
爆笑されてむくれてる私の頭を和弥くんが撫でる。
「はー、かわいい。じゃ、確か地下におにぎり屋さんあったからそれ買って外で食べる?公園あるし、天気もいいし」
「え?いいの?」
そう言うけど和弥くんの足はもうエスカレーターに向かってる。
「全然いいよ。買いに行こう」
地下に降りておにぎり屋さんで真剣な顔でおにぎりを選ぶ私を見て和弥くんはやっぱり笑ってる。
迷いに迷いつつおにぎりを選ぶと和弥くんがさっさとお金を払ってしまう。