健康診断の甘い罠
「か、和弥くん。お金払うよ」
「ん?あ、いいよ。今日はいい格好させて」
鞄から財布を出すけど、和弥くんにそう言われて私は素直にお財布をバッグにしまう。
「じゃあ、ありがとう。ごちそう様です」
笑顔でお礼を言うと和弥くんが一瞬目を見開いた。
「いや、そんなかわいい笑顔見せてもらえるなら。全然いい」
そう言われて赤くなる私を見て微笑んだ和弥くんが私の手を握って歩き出した。
店の外に出ると本当にいい天気で、私と和弥くんは近くの公園のベンチに座って買ってきたおにぎりを広げる。
「いただきます」
そう言って悩みに悩んで選んだ天むすにかぶりつく私を和弥くんが笑いながら見てる。
「おいしい?」
そう言われて頷く私に笑って和弥くんもおにぎりを食べる。