健康診断の甘い罠
「ね?だからさ、千紗が俺に全部あげてもいいって思えたら。千紗が俺に触れてほしいと思ったら……今日買ったワンピース着て」
予想外のその言葉に目を丸くする私を見て意味深な笑みを浮かべた和弥くんがワンピースの入った袋をチラッと見てから私を見た。
「俺の予定だと夏の頃には俺のものになってるんだけどね」
夏って、もうすぐなんですけど。そういえば夏物のワンピースだった。
「だから、リハビリ頑張ろうね、千紗」
そう言われて思わず頷いてしまった私の頭を和弥くんは笑いながら撫でる。
「素直だけど従順ってほどじゃなくて。ほどよく反抗的でかわいいね、千紗は」
ど、どういう意味だろうそれは。あんまり褒められてる気がしないんだけど。
そう思って微妙な顔をする私の頬を和弥くんが突っつく。