健康診断の甘い罠
「お茶でも出したいけど、早く帰らないと明日デートだもんね」
そう言って一ノ瀬さんは私を手招きしてクローゼットを開ける。
「ちょっと待ってね……千紗ちゃんに似合いそうなの、これとか」
そう言ってピンクのブラウスと白地にピンク系の花の柄のキュロットパンツを私の身体に合わせてくれる。
「うん、これすごく似合うと思う。あとは……」
可愛らしいレースのついた白いカットソーにリボンのついたキュロットとか。
かわいい服を何着か選んでくれて一ノ瀬さんはそれを紙袋に入れてくれる。
「ありがとうございます」
お礼を言うと一ノ瀬さんは紙袋を私に渡してくれる。
「いいえ。結城さん喜んでくれるといいね」
そう言って微笑んでくれる一ノ瀬さんに私も微笑んで紙袋を受け取る。
高倉さんも一ノ瀬さんも優しくてほんとにいい先輩だ。
ここの健診センターに就職して本当に良かったな。
そう思っていると玄関の方でガチャンと物音がした。