じれったい
娘の誕生日に、主人公は彼女の大好きなマカロンをプレゼントする。

「ありがとう――ママ」

娘は微笑みながらお礼を言って、マカロンを口にする。

自分のことを母親と認めてくれた娘に主人公は涙を流すと、
「私もあなたのことが大好きよ」

そう言った後、彼女と一緒にマカロンを食べるのだった。

映画が終わると、
「――いい映画、だったな…」

私は息を吐いた。

気がつけば、ティッシュを１箱使ってしまっていた。

テーブルのうえには使用済みの丸めたティッシュでいっぱいになっていた。

映画で泣いたのは、これが初めてかも知れない。

玉置常務に勧められたとは言え、見るのは義務だったとは言え…この映画を見てよかったと、心の底から思った。
< 47 / 273 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop