恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
「活躍の場が違うんであって、圭太郎だって会社で評価されてるってことが今回の異動ではっきりしたじゃない。

私も圭太郎の段取り力とか、対人交渉スキルとか、企画実現能力とか、すごいと思ってる。競合他社や他業種情報も豊富に持ってるし、流行も押さえてるし。
果てはパートさんへの教育とかもちゃんとしてるし、定時内にこれだけ完璧に仕事こなしてるって、もう、尊敬だよ。

それに、圭太郎の市民オケのレベル、高いでしょう? 弦セクがあれだけ弾けるってすごいよ。マリさんもコンマスがちゃんと指導してるオケだって言ってた。コンマスと一緒に音楽やりたくて入った人もいるって。

コンマスファンの固定客もいるんだよ?

落ち込むなとは言わない。
でも、自信を失う必要はないよ」


目を見つめて、力一杯の励まし。
これくらいしかできない自分が歯痒い。


圭太郎は、戸惑った顔をして、瞬きを繰り返した。


あなたはすごい人なんだよ。
伝わった?


すると、彼は少し微笑んで、口を開いた。
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